江戸川乱歩が創作した代表的人物である名探偵明智小五郎の初登場作品です。D坂とは東京都文京区本郷の団子坂のこと。
「私」はD坂の大通りにある白梅軒という喫茶店の常連だ。この店の向かいには古本屋があり、そこの妻を眺めることが目的の一つになっていた。この店で知り合いになった貧乏な書生の青年明智小五郎と窓の外を眺めながら会話していたが、その日は目当ての美人の妻は見当たらず、4人目の本泥棒を変だと疑い、2人で古本屋へと入ると店の奥の部屋に古本屋の妻の死体があったのだった……。
青空文庫「D坂の殺人事件」より
朗読:音声合成ソフトVOICEPEAK