クトゥルフ神話は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが創造した架空の神話体系で、異形の神々や宇宙的恐怖をテーマにしています。中心的な存在であるクトゥルフは、タコやイカに似た頭部を持つ巨大な軟体動物のような姿をしており、太平洋の底で眠っています。この神話は、TRPGやライトノベル、アニメなどで人気があります。
クトゥルフ神話は、20世紀初頭にハワード・フィリップス・ラヴクラフトが創造した神話体系です。異形の神々や宇宙的恐怖をテーマにしており、彼の友人や後継者たちによって発展されました。
友人の中にはヒロイック・ファンタジーの元祖「英雄コナン」を書いたロバート・E・ハワードがおり、コナンシリーズの舞台となるハイパーボリア大陸ではクトゥルフ神話の神ツァトゥグァやアブホースが崇拝されています。また、ラブクラフトの「狂気山脈」ではハイパーポリアの事が語られています。
クトゥルフ神話の神々は同種のものではなく、いくつかに分類されている。
旧支配者:太古の地球を支配していた強力な存在。クトゥルフ、ハスター。
外なる神々:宇宙の外側から来た神々で、旧支配者よりもさらに強大。アザトース、ヨグ=ソトース。
旧神:旧支配者と対立する存在で、しばしば人類を守る役割を持つ。ノーデンス。
従属神:旧支配者や外なる神々に仕える存在。ダゴン、ヒュドラ。
また旧支配者とされる中には「古のもの(いにしえのもの)」が存在している。「古のもの」は人類より以前に地球を支配していた高度な知性を持つ生命体で、クトゥルフやハスターなどの邪神とは存在が異なる(「狂気山脈」や「狂気の地底回廊」に登場)。クトゥルフの眷属や別の地球外生命体ミ=ゴと敵対している。その存在は魔導書ネクロノミコンに記されている。
ミ=ゴは外宇宙(または異次元)から地球にやってきた冥王星を拠点とする生命体で古のものとは異なりヨグ=ソトースやハスターなど(作品によって様々)いつかの邪神を崇拝している。
クトゥルフ神話がここまで広がった理由はいくつかあります。
文通を通して友人やファンと交流の中で、他の作家に自分の設定やアイデアを使って作品を自由に書かせ、また他の作品からも設定を取り入れて新たなな作品を書いていきました。こうして複数の作品に共通の要素を登場し物語をリンクさせる事によってクトゥルフ神話の世界観が広がっていったのです。通常のシェアワールドと違うのは世界観設定がガチガチではなく作家本人の裁量に任せて自由に描いていった事でしょう。さらに後年の作家たちもクトゥルフ神話の要素を取り入れることで広がっていきました。そして80年代TRPGとして「クトゥルフの呼び声」がアメリカのゲーム会社であるケイオシアム社から発売された事により(日本ではホビージャパンが販売)クトゥルフ神話の邪神の姿がビジュアル化。より浸透していきました。日本では2000年代KADOKAWAが「新クトゥルフ神話TRPG」として第七版を販売し、2010年代にニコニコ動画での「クトゥルフ神話TRPG」のリプレイ動画が人気になり、より浸透していきました。
クトゥルフ神話TRPGが浸透する以前にもクトゥルフ神話を取り入れた作品は様々あり、映画やアメコミ、漫画、小説、ゲームになりました。
「エイリアン」「ヘルボーイ」「ミスト」「クローバーフィールド」「遊星からの物体X」「キャビン」「カラー・アウト・オブ・スペース」「イベント・ホライゾン」
「魔界水滸伝」「Fate」シリーズ、「魔法少女まどか☆マギカ」「妖怪ハンター」「血界戦線」「這いよれ! ニャル子さん」「ウルトラQ」「ウルトラマン」等々
影響を受けたスティーブン・キングなど多くの創作者たちがおり、なかでも映画監督のギレルモ・デル・トロはクトゥルフ神話の大ファンで「狂気山脈」の映画を長年企画を進めてきた人で、最近テスト映像がYoutubeにアップされました。
日本ではゲームクリエイターの まだら牛さんが自身のクトゥルフ神話TRPGシナリオ『狂気山脈 ~邪神の山嶺~』のアニメ化を企画。クラウドファンディングで一億二千万円を集め、その後、パイロットフィルムが制作されYoutubeに公開されました。さらに追加のクラウドファンディングで合計三億二千万円が集まり、長編アニメとして企画が進められています。
変わったところでは、劇場版どらえもん、言及はされていないが石川賢先生の描かれた「魔界転生」が、クトゥルフ神話の盈虚を色濃く受けていると思われます。これ意向の石川賢作品は似た題材を含む事が多くなり、虚無戦記シリーズはより濃度が濃くなり、さらにゲッターロボシリーズもゲッター自身も含め邪神の要素の強くなった世界観になっていきます。
こうして日々クトゥルフ神話の世界は広がっていくのです。