海外評価◎!2000年代の埋もれたSFファンタジー名作アニメ名作10選

 世界を魅了した2000年代アニメ──隠れたSFファンタジーの名作たち

2000年代は、アニメのジャンルが多様化し、物語の深みや表現の幅が大きく広がった時代でした。日本国内だけでなく、世界中のファンを魅了する作品が次々と登場し、アニメはグローバルな文化として定着していきます。
その流れの中で、2006年に登場したストリーミングサービス「クランチロール(Crunchyroll)」は、海外のアニメファンにとって重要なプラットフォームとなり、日本のアニメを世界へと届ける架け橋となりました。
この時代には、日本ではあまり知られていないものの、海外では高く評価されている“隠れた名作”も数多く存在します。今回は、そんな2000年代のアニメの中から、SFとファンタジーの要素を持つ珠玉の10作品を厳選してご紹介します。

 



Ergo Proxy(エルゴプラクシー)

『エルゴプラクシー』作品紹介

『エルゴプラクシー』は、2006年に放送された日本のSFサイコサスペンスアニメです。 物語の舞台はディストピア的な未来世界。人類は環境崩壊により、ドーム都市に隔離されて生活しています。
主人公は若き女性捜査官リル・メイヤー。彼女は、ロボットに自我を与えるウイルスによって引き起こされた殺人事件の調査に乗り出します。 物語は、彼女の捜査を通じて、人間の意識やアイデンティティ、そして現実の本質を問い直す哲学的な展開へと進んでいきます。
本作は、心理学的な要素や哲学的テーマを巧みに織り交ぜた重厚なストーリーが特徴。 また、視覚的にも非常に魅力的で、独特な世界観と作画が海外ファンから高く評価されています。

放送 2006年
原作 manglobe
監督 村瀬修功
キャラクターデザイン 恩田尚之
音楽 池頼広
アニメーション制作 manglobe
全23話



Witch Hunter ROBIN(ウイッチハンターロビン)

放送 2002年
原案 矢立肇、村瀬修功
監督 村瀬修功
キャラクターデザイン 高橋久美子
メカニックデザイン 佐藤肇、佐藤道明
音楽 岩崎琢
アニメーション制作 サンライズ
製作 サンライズ、バンダイビジュアル
全26話

『ウィッチハンターロビン』作品紹介

『ウィッチハンターロビン』は、2002年に放送された日本のテレビアニメで、中世ヨーロッパの魔女狩りをモチーフに、現代日本を舞台としたダークなSFファンタジー作品です。
物語は、超常能力者“ウィッチ”と人間との対立を描いており、主人公は国際的な対ウィッチ組織「ソロモン」から派遣された15歳の少女ロビン。彼女は強力な発火能力を持ち、ウィッチハンターとして任務にあたります。しかし、物語が進むにつれて、ロビンは自分自身が“狩られる側”になる可能性に気づき、組織や自分の存在に対する疑念と恐怖に揺れ始めます。
本作は、重厚な雰囲気と心理描写、そしてスタイリッシュな演出が特徴で、海外でも高い評価を受けている隠れた名作のひとつです。



THE ビッグオー(ザ・ビッグオー)

放送  1999~2000年(シーズン1)2003年(シーズン2)
原作 矢立肇、片山一良
監督 片山一良
シリーズ構成 小中千昭、片山一良
キャラクターデザイン さとうけいいち
メカニックデザイン さとうけいいち
音楽 佐橋俊彦
アニメーション制作 サンライズ
製作 バンダイビジュアル、サンライズ
全26話

『THE ビッグオー』作品紹介

『THE ビッグオー』は、1999年に放送された日本のメカアニメシリーズで、2003年には第2シーズンも制作されました。
物語の舞台は「パラダイムシティ」。40年前の謎の出来事によって人々が記憶を失ったこの都市で、主人公ロジャー・スミスは交渉人(ネゴシエイター)として活動しています。
彼は巨大ロボット「ビッグオー」を操り、都市に現れる脅威と戦いながら、失われた記憶の謎を追っていきます。
本作は、1960〜70年代のロボットアニメや特撮番組を彷彿とさせるノワール調の美学が特徴。 そのスタイリッシュな演出と重厚な世界観は、特にアメリカのアニメファンから高く評価され、第2シーズンの制作につながるほどの人気を獲得しました。



エルフェンリート

放送 2004年
原作 岡本倫
監督 神戸守
シリーズ構成 吉岡たかを
脚本 吉岡たかを
キャラクターデザイン きしもとせいじ
メカニックデザイン 大河広行
音楽 小西香葉、近藤由紀夫
アニメーション制作 ARMS
製作 バップ、ジェンコ
全13話+未放送1話

『エルフェンリート』作品紹介

『エルフェンリート』は、2004年に放送された岡本倫原作のSFサスペンスアニメで、人類の突然変異によって誕生した新人類「ディクロニウス」を巡る物語です。彼らは“ベクター”と呼ばれる見えない腕を操る能力を持ち、社会から隔離され、研究対象として扱われています。主人公ルーシーは研究所からの脱走時に頭部を負傷し、無垢な人格「にゅう」と凶暴な「ルーシー」が共存するようになります。彼女は青年コウタと出会い、共同生活を始めますが、やがて過去の因縁と人類の運命が交錯していきます。

本作は、差別、孤独、愛、暴力といった重いテーマを描きながら、過激な描写と繊細な心理描写を融合させた衝撃的な作品です。特に主題歌「LILIUM」はラテン語の聖歌風で、旧約・新約聖書の引用を含み、荘厳で神秘的な旋律が作品の悲哀と深みを象徴しています。この楽曲は海外でも高く評価され、ウクライナやチリなどの合唱団によって演奏されるなど、教会音楽としても親しまれています。『エルフェンリート』は、哲学的SFとして世界中のファンを魅了し、今なお語り継がれるカルト的名作です。



DARKER THAN BLACK -黒の契約者-

放送 2007年
原作 BONES、岡村天斎
監督 岡村天斎
総作画監督 小森高博
シリーズ構成 岡村天斎、菅正太郎
脚本 岡村天斎、野村祐一、菅正太郎、大西信介、砂山蔵澄
キャラクターデザイン 岩原裕二(原案)、小森高博
音楽 菅野よう子
アニメーション制作 BONES
製作 DTB製作委員会・毎日放送
全25話+未放送1話

『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』作品紹介

『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』は、2007年に放送されたボンズ制作のSFアクションアニメで、海外でも高い評価を受けている作品です。物語は、異常空間「地獄門」の出現によって現れた超能力者“契約者”たちを中心に展開。彼らは感情を失う代償と引き換えに特殊能力を操り、国家や組織の陰謀に巻き込まれていきます。主人公の黒(ヘイ)は、契約者でありながら人間らしい感情を持ち、謎多き過去を背負いながら任務を遂行します。

本作は、スタイリッシュな演出と緻密な世界観、そして心理描写の深さが魅力。菅野よう子による音楽も高く評価され、作品の雰囲気を一層引き立てています。海外では「哲学的で成熟したSF」として支持され、IMDbでは7.7/10の高評価を獲得。続編『流星の双子』やOVA『外伝』も制作され、シリーズ全体として国際的な人気を誇るアニメとなっています。



SPEED GRAPHER(スピードグラファー)

放送 2005年
原作 GONZO
監督 杉島邦久
シリーズ構成 吉田伸
キャラクターデザイン コザキユースケ(原案)
石浜真史
音楽 光宗信吉
アニメーション制作 GONZO
製作 TAP
全24話

『SPEED GRAPHER』作品紹介

『SPEED GRAPHER(スピードグラファー)』は、2005年にGONZOが制作したハードコアサスペンスアニメです。
物語の舞台は、バブル崩壊後の東京。富裕層が快楽を追求する「快楽都市」と化したこの世界で、元戦場カメラマンの雑賀辰巳(さいがたつみ)、秘密クラブ「六本木倶楽部」に潜入し、そこで出会った謎の少女天王洲神楽(てんのうすかぐら)と共に逃避行を繰り広げることになります。

本作は、社会の闇や人間の欲望といった大人向けのダークなテーマを描いており、アクションシーンや心理戦も大きな見どころ。 欲望に支配された世界で、主人公が真実を追い求める姿が、視聴者に強い印象を残します。



青の6号

OVA発売 1998年10月25日~2000年3月25日
原作 小澤さとる
監督 前田真宏
脚本 山口宏
キャラクターデザイン 村田蓮爾、草薙琢仁、前田真宏
メカニックデザイン 河森正治、前田真宏、山下いくと
音楽 THE THRILL
アニメーション制作 GONZO
製作 バンダイビジュアル、東芝EMI、GONZO
全4話

『青の6号』は、小澤さとるの同名漫画を原作としたOVAシリーズで、1998年から2000年にかけて全4話がリリースされた。アニメーション制作はGONZO、製作にはバンダイビジュアルと東芝EMIが参加。物語は環境悪化が進む近未来の地球を舞台に、海洋開発が進む中、超国家組織「青」と天才科学者ゾーンダイク率いる海洋テロ組織との戦いを描く。潜水艦「青の6号」の活躍が中心で、迫力ある海中戦が見どころ。ビジュアルやメカニックデザインの完成度が高く、特に当時としては先進的だった3DCGの導入が話題となった。SFと軍事要素を融合させた硬派な作風は、国内外で高く評価され、海外でもクールな映像表現と緻密な世界観が注目を集めた。



BLOOD THE LAST VAMPIRE(ブラッド ザ ラスト ヴァンパイア

『ブラッド ザ ラスト ヴァンパイア』は、2000年に公開された日本のアニメーションホラーアクション映画。監督は北久保弘之、制作はプロダクションI.G。ベトナム戦争時代の横田基地を舞台に、セーラー服姿の少女・サヤが吸血鬼のような存在「翼手」を狩る姿を描く。2Dと3Dを融合した先駆的なデジタル技術が話題となり、海外でも高く評価された。2009年には韓国で実写映画化され、国際的な注目を集めた。さらに後年には、世界観を拡張したテレビアニメシリーズ『BLOOD+』(2005年)や『BLOOD-C』(2011年)が制作され、いずれも異なる設定ながらサヤを中心に展開。作品はホラーとアクション、そして謎めいた雰囲気が融合した独特の魅力を持ち、今なお根強い人気を誇っている。



バンパイアハンターD(Vampire Hunter D: Bloodlust)

海外公開 2000年
日本公開 2001年
原作 菊地秀行
監督・脚本・絵コンテ 川尻善昭
キャラクター原案   天野喜孝
キャラクターデザイン 箕輪豊
作画監督   箕輪豊、浜崎博嗣、阿部恒
音楽 マルコ・ダンブロシオ
アニメーション制作 マッドハウス
製作 バンパイアハンターD製作委員会(フィルムリンク・インターナショナル、BMGファンハウス、ムービック、グッドヒルヴィジョン、ソフトキャピタル)

2000年公開のアニメ映画『バンパイアハンターD: Bloodlust』は、菊地秀行の小説『D-妖殺行』を原作に、吸血鬼と人間の混血児「D」が、貴族にさらわれた少女シャーロットを救う旅を描く。制作はマッドハウス、監督は『妖獣都市』などで知られる川尻善昭。彼のスタイリッシュな演出と映像美は海外で高く評価され、本作も英語音声で制作されるなど国際市場を意識した作品となった。ゴシックホラーとアクションが融合した独特の世界観と、Dの孤独な戦いが多くのファンを魅了。全米ビルボードの2002年3月9日付トップDVDセールスチャートで初登場7位を記録し、北米だけで50万枚以上のDVDを売り上げたとされる。近年では再評価も進み、国内外で注目を集めている。



ラーゼフォン(Rahxephon)

『ラーゼフォン』は、2002年にフジテレビで放送されたSFロボットアニメで、全26話。原作・監督は出渕裕、アニメーション制作はBONESが担当。物語は、東京が謎の存在「MU」に隔離された世界で、主人公・神名綾人が巨大ロボット「ラーゼフォン」に乗り、戦いに身を投じる姿を描く。音楽をテーマにした独特の設定が特徴で、各話は「楽章」、パイロットは「奏者」と呼ばれる。2003年には劇場版『ラーゼフォン 多元変奏曲』が公開され、TV版とは異なるストーリーが展開された。美しい映像と哲学的なテーマ性が話題となり、海外でも「エヴァンゲリオン」と比較されることが多く、深い物語構造や音楽的演出が高く評価された。


 

 

2000年代アニメ、今こそ再発見のチャンス

2000年代のアニメは、ジャンルもストーリーもとっても豊かで、日本だけじゃなく海外のファンも夢中になった時代です。2002年には「バンダイチャンネル」が登場し、2006年には海外向けのアニメ配信サービス「クランチロール(Crunchyroll)」がスタート。これで、日本ではあまり知られていない作品も、海外で高く評価されるようになりました。視聴方法が増えたことで、2000年代後半には制作本数が増えて、アニメ界に活気がでてきました。さらに、DVDが廃盤になった作品や、国内でソフト化されなかった作品も、今では配信サービスで気軽に見られるようになって、昔の名作にも手が届きやすくなりました。 今こそ、2000年代のアニメを振り返って、埋もれた名作や懐かしい作品を楽しんでみるのもおすすめです。