『スサノオのヤマタノオロチ退治』の三幕構成
『スサノオのヤマタノオロチ退治』ストーリー
むかし、雲の上の国を離れ旅を続けていたスサノオという神が、出雲の地へたどり着きました。
ところが、美しいと聞いていた斐伊川は赤く濁り、どこか不吉な気配を漂わせていました。
不思議に思いながら川辺を歩いていると、スサノオは老夫婦と娘が寄り添って泣いているのを見つけました。
気になったスサノオが理由を尋ねると、老夫婦は重い口を開きました。
この辺りには、八つの頭と八つの尾を持つ怪物・ヤマタノオロチが棲みつき、毎年娘をひとりずつ生贄として差し出さねばならないというのです。
八人いた娘のうち七人の姉はすでに食べられ、残るのは末娘のクシナダヒメだけ。
そして今年こそが、クシナダヒメの番でした。
老夫婦と娘は、最後の別れに涙を流していたのです。
事情を聞いたスサノオは、クシナダヒメを救うことを決意しました。
まず、術を使ってクシナダヒメを櫛の姿に変え、自分の髪に挿して隠しました。
次に老夫婦には、強い酒を満たした八つの樽と、八つの門を作って並べるように頼みました。
怪物を酔わせ、力を奪うための準備です。
やがて時が来ると、地の底から響くような重い音を立てて、山のように巨大なヤマタノオロチが姿を現しました。
スサノオの目論見どおり、八つの頭は酒の匂いに誘われ、門へと近づき、樽の酒を次々に飲み干していきます。
やがて怪物は酒に酔いつぶれ、その場に倒れてしまいました。
ヤマタノオロチが眠り込んだのを確かめると、スサノオは剣を抜き放ちました。
そして怪物の八つの頭を次々と切り落とし、続いて尾を断ち切っていきます。
最後の尾を斬ったとき、刃が硬いものに当たり、中から一本の輝く剣が現れました。
これが後に天叢雲剣、のちの草薙剣と呼ばれる名剣です。
戦いを終えたスサノオは、クシナダヒメを元の姿に戻し、老夫婦のもとへ返しました。
赤く濁っていた斐伊川は次第に美しさを取り戻し、風も穏やかに吹き始めました。
その後、スサノオとクシナダヒメは結ばれ、出雲の地には再び平和が戻ったと伝えられています。

🔲ストーリーを三幕構成に分解
第一幕:出会いと問題の発覚(序章)
旅の途中で出雲に着いたスサノオは、赤く濁った川辺で泣く老夫婦と娘に出会う。
この地にはヤマタノオロチが現れ、毎年娘を生贄に奪っており、八人姉妹のうち七人はすでに犠牲となっていた。
今年は末娘クシナダヒメの番で、家族は別れを悲しんでいた。
第二幕:スサノオの策と対決の準備(展開)
スサノオはクシナダヒメを救うため、彼女を櫛に変えて隠し、老夫婦には酒樽と門を準備させてヤマタノオロチを酔わせる作戦を立てた。
やがて現れた怪物は酒の匂いに誘われて樽の酒を飲み干し、思惑どおり酔いつぶれて倒れた。ヤマタノオロチが酔って眠ったのを確認したスサノオは、八つの頭と尾を次々に斬り落としていく。
第三幕:決戦と平和の訪れ(結末)
スサノオは、酔いつぶれたヤマタノオロチの頭と尾をすべて切り落として倒す、最後の尾を切り落とすと天叢雲剣(のちの草薙剣)が現れる。
戦いの後、スサノオはクシナダヒメを元に戻して老夫婦へ返し、濁っていた斐伊川も清らかさを取り戻した。
その後、スサノオとクシナダヒメは結ばれ、出雲の地に平和が戻ってくる。