スノーデン事件から見えてきた「世界の監視網」エシュロンとは?
2013年、元NSA職員のエドワード・スノーデンが内部文書をぶっ放したことで、世界中がザワつきました。 「え、そんなに監視されてたの…?」と、ちょっと背筋が寒くなるような内容が次々と明らかになりました。
このスノーデン事件をきっかけに、以前から“都市伝説”のように語られてきた エシュロン(ECHELON) という巨大監視システムにも再び注目が集まることになりました。
参考:Wikipedia『エドワード・スノーデン』
■ そもそもエシュロンって何?
スパイ映画やドラマで度々エシュロンの名前が登場してきます。セリフでは、さらっと語られる場合もあり、こういった事に詳しくない人が鑑賞すると一体何の事を言っているのかわからないと思います。エシュロンを知っているとより深く映画を楽しめるでしょう。
エシュロンは、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの5か国(ファイブアイズ)が協力して運用していると言われる 世界規模の通信傍受システム。
(「007 スペクター」ではファイブアイズを題材としたナインアイズやエシュロンの様なシステムが登場します)
- 電話
- メール
- 無線
- インターネット通信
こういうものをガッツリ集めて分析している、とされています。
エシュロンらしきシステムの噂が出始めたのは、1970年代頃からです。情報機関の研究者や軍事専門家、ジャーナリストの間で大規模な監視システムのようなものがある可能性が噂されました。
そしてエシュロンという名前が初めて広く出てきたのは 1990年代前半。特に有名なのが、1996年にニュージーランドのジャーナリスト、ニッキー・ヘイガーが出版した『Secret Power』で「エシュロン」という名前が世界的に知られるようになりました。
さらにインターネットの普及とともにエシュロンの現実味が高くなっていきました。

1998年に公開された映画、ウィル・スミス主演「エネミー・オブ・アメリカ」は、エシュロンらしきシステムと存在感を増しつつあったNSAが題材となっています。ちなみにウィル・スミス演じる主人公ディーンが子供の為に買ったロボットのオモチャがほぼ”ガンダム”。ガンダムの設定画から起こしたようなパッケージのモノクロイラストが登場しますよ。
「エネミー・オブ・アメリカ」では、エシュロンらしきシステムの説明セリフとして「初期のシステムでは傍聴している全米の電話での会話から特定の危険と思われるキーワードを検出していた」と真実味のある言葉が出てきました。

2008年公開のスティーブン・スピルバーグ制作の「イーグル・アイ」にはエシュロンにAI要素を加えたシステムが登場し逃亡する主人公を追い詰めていきます。当時は進歩的なAIが登場するため、ジャンルもSFサスペンスでしたが、ここ数年のAIの急激な進歩で公開から10年も絶たないうちに現実味のある設定となりました。
■ アメリカ政府が公式には認めていないエシュロンの存在
アメリカ政府は公式にはエシュロンの存在を認めていませんが、欧州議会の報告書などでは存在が指摘されていて、完全に否定しきれていません。
日本では、青森県の三沢基地が“エシュロン関連施設ではないか”と長年噂されてきました。
■ エシュロンをめぐる噂
エシュロンは秘密のベールに包まれているので、噂も盛りだくさん。
- 世界中のメールや電話を全部監視してる
- 産業スパイに使われてる
- 日本の通信も監視対象
- キーワード検索で個人を追跡
- 政治家の電話も盗聴
もちろん全部が事実とは限りませんが、スノーデン文書が出てきたことで「これ、あながち嘘じゃないのでは?」という空気が強まったのは確かです。
■ スノーデン文書には何が書いてあったの?
スノーデンが暴露した文書は、NSAがどれだけ広範囲に監視していたかを赤裸々に示すものでした。
ドキュメンタリー映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』、オリバー・ストーン監督『スノーデン』などの映画も制作されました。
● ネット監視プログラムPRISM(プリズム)でネットのデータを収集
アメリカのNSA(国家安全保障局)が運用していたとされるネット監視プログラムPRISMで大手IT企業のサーバーから、メールやSNSのデータを取得していたとされます。
● 携帯電話の位置情報・通話記録も大量収集
誰が誰と、いつ、どこで連絡を取ったかが丸わかり。
● 同盟国の首脳まで監視
ドイツのメルケル首相の携帯電話が盗聴されていたのは有名な話。
● 海底ケーブルにもアクセス
インターネットの大動脈からデータを吸い上げていたとされます。
● XKEYSCORE(エックスキー・スコア)でキーワード監視
特定の単語を含むインターネット上の通信をリアルタイムで自動抽出できるシステムも存在。
つまり、監視対象はアメリカ国内だけじゃなく、ほぼ全世界に広がっていたということなのです。
■ 噂と現実の境界線があいまいに
スノーデン文書の内容は、それまで専門家たちの間で囁かれていたぼんやりとしていたエシュロンにまつわる噂と妙に重なる部分が多く、 「実はエシュロンは、本当にあるのでは?」 と考える人が増えました。
もちろん、エシュロンの全貌が明らかになったわけではありませんが、 “ただの都市伝説”と片付けられなくなってきています。
■ 便利な時代ほど、裏側は複雑
スノーデン事件は、私たちが普段何気なく使っているネットやスマホが、 どれだけ監視の対象になり得るのかを突きつけました。
エシュロンの噂も、スノーデン文書の内容も、 「情報化社会の裏側ってこうなってるんだよ」という現実を見せてくれた出来事だったと思います。
2014年にオバマ大統領が来日した際に安倍総理(当時)の車内会話がアメリカ側に筒抜けだっという噂があります。これはスマホやそれ以外のネット環境を利用した盗聴があった事を連想させます。
世界的なゲーム「ポケモンGO」のシステムを開発したナイアンティック社は、その前身会社がCIAの投資部門から資金を調達していたという噂もありました。
エシュロンが実在し、噂通りの機能であれば、Googleマップ、電子メール、電子決済などの便利さと引き換えに、どこまでプライバシーを差し出すのか。 その境界線を真剣に考えなければならないかもしれませんね。
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