使者(ヘラルド)とは、主人公を冒険に導く存在です。
探偵モノでの依頼者やスター・ウォーズ1作目でのR2D2とC3POのドロイドコンビとかです。
物語の序盤では主人公の日常が描かれます。
そこから主人公を冒険に連れ出すのがヘラルドの役目です。
それだけの役割の為だけに登場する時もあれば、役割を兼ねている場合もあります。
そのまま仲間になる場合もあれば、敵に。あるいは、主人公を導く賢者(メンター)になる事もあります。
単純に事件に引き込むだけの為にセリフをいくつか言って退場する話も多いですが、長編の物語で、あらたな展開に誘導する場合にもう一人の使者(ヘラルド)登場する場合もあります。
要するに物語の切り替えを行うときは、ヘラルドが有効な役割をしてくれるのです。
使者(ヘラルド)は冒険に導く役目ですが、その役割を他の役割とブレンドすることで物語のバリエーションも増えます。
例えば、ファーストガンダムと呼ばれる機動戦士ガンダムでヘラルドにあたるのは、第一話で主人公アムロの暮らすスペースコロニー・サイド7を先走ってザクで攻撃を始めてしまうジーンというジオン兵。彼は、功を焦って上官の命令を無視して攻撃を開始します。そのl行動がアムロたちを戦争に巻き込むきっかけになります。そしてアムロに立ちふさがる最初の敵(門番)にもなっています。
ロード・オブ・ザ・リングでは、主人公フロドを指輪を持って裂け谷に向かうように言う魔法使いのガンダルフ。ガンダルフは、フロドたちが困難に陥った時に解決のヒントを与える賢者(メンター)の役割を持っています。
そして人間側の主人公であるアラゴルンを指輪を巡る旅に連れ出すのは、主人公のフロド一行です。
ターミネーターでは、主人公サラ・コナーがピンチの時に現れた未来から来た戦士カイル・リース。彼のセリフ「死にたくなければついてこい!」は名セリフ。ここからサラ・コナーは自分と未来の息子を巡る冒険に巻き込まれます。その後、カイル・リースはサラを手助けしてくれる仲間(アライズ)であり、愛する人になり、ます。
続編のターミネーター2では、少年ジョン・コナーを未来から助けに来たターミネーターT-800がジョンに向かって同じセリフを言います。彼はT2のもう一人の主人公でもあります。
使者(ヘラルド)は、物語に新しい展開のきっかけになり、役割を兼ねさせることによってキャラクターの深みを増す事と、物語の展開バリエーションを増やす事ができます。