第4章 戦隊ヒーローの原点は忍者ドラマにあった
――チームで任務をこなすフォーマットの誕生
現代の日本を代表する特撮シリーズといえば、 スーパー戦隊シリーズが挙げられます。
- 5人前後のチーム
- それぞれが固有の能力や武器を持つ
- 敵の幹部と個別に戦う
- 最後は巨大ロボで決着
このフォーマットは、今や世界中で知られる“日本型ヒーローの様式美”となっています。
しかし、この戦隊シリーズの根底には、 忍者ドラマの影響が色濃く存在していることはあまり知られていません。
■ 『忍者部隊月光』が示した“チームで戦う忍者”という構造
1964年に放送された 『忍者部隊月光』 は、 現代の戦隊ヒーローの原型ともいえる作品です。
この作品では、 月光を中心とした複数の忍者がチームを組み、 それぞれの得意分野を活かして任務を遂行します。
- 情報収集に長けた忍者
- 体術が得意な忍者
- 火薬や仕掛けに強い忍者
- 隠密行動に特化した忍者
こうした“役割分担”は、 後の戦隊シリーズの レッド・ブルー・イエロー… といった キャラクター性の分化に直結しています。
つまり、 戦隊ヒーローのチーム構造は、忍者ドラマが先に作っていたのです。
■ 忍者ドラマの“集団戦”が戦隊シリーズの演出を形作った
忍者ドラマでは、 敵の忍者集団と味方の忍者集団が対峙する場面が多く描かれました。
- 敵の幹部忍者が次々と登場
- 味方の忍者がそれぞれ個別に戦う
- 最後にリーダー格が決着をつける
この構造は、 後の戦隊シリーズの“幹部戦”や“個別バトル”の演出にそのまま受け継がれています。
特に、 「敵の怪人が毎週1体ずつ登場する」 という戦隊シリーズの基本構造は、 忍者ドラマの“敵忍者の連続登場”を踏襲したものといえます。
■ 忍者は戦隊シリーズに周期的に帰ってくる
戦隊シリーズには、 忍者をテーマにした作品が定期的に登場します。
- 『忍者戦隊カクレンジャー』(1994)
- 『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002)
- 『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015)
これは単なる偶然ではありません。
戦隊シリーズのフォーマット自体が忍者ドラマをルーツにしているため、 “忍者に戻る”ことはシリーズの原点回帰でもあるのです。
忍者は戦隊シリーズにとって、 “最も相性の良いテーマ”であり、 “最も自然に物語を構築できる題材”でもあります。
■ 忍者ドラマが戦隊ヒーローに与えた影響は計り知れない
忍者ドラマが戦隊シリーズに与えた影響は、 単なる演出面にとどまりません。
- チームで戦う構造
- 個別バトルの緊張感
- 敵幹部との対決
- 役割分担によるキャラクター性
- 連続ドラマとしての構成
- 子どもが真似したくなる必殺技
これらはすべて、 忍者ドラマが先に確立した要素です。
戦隊シリーズはそれらを受け継ぎ、 さらに発展させることで、 “日本独自のヒーロー文化”を作り上げました。
■ 戦隊ヒーローは“忍者の子孫”である
こうして見ていくと、 戦隊ヒーローは単なる特撮ヒーローではなく、 忍者文化の現代的な進化形であることがわかります。
- 忍者のチーム戦 → 戦隊のチーム戦
- 忍者の個別バトル → 戦隊の幹部戦
- 忍者の役割分担 → 戦隊のカラー分け
- 忍者の必殺技 → 戦隊の必殺技
- 忍者の集団劇 → 戦隊の連続ドラマ構造
戦隊シリーズは、 忍者ドラマが築いたフォーマットを継承しつつ、 より派手に、より分かりやすく、より子ども向けに進化させた存在なのです。