ゲームシナリオのフローチャートの考え方
― 分岐だらけの物語を迷わず作るための“地図”の描き方
アドベンチャーゲームを作ろうとすると、 「分岐が増えて収拾がつかない」 「どの選択がどこにつながるのか分からなくなる」 という悩みが必ず出てきます。
そんなときに役立つのが、フローチャート。 これは、物語を“視覚的に整理するための地図”です。
今回は、初めてでも迷わず作れるフローチャートの考え方を、ブログ記事風にわかりやすく解説します。
1|まずは「一本道」を作る
― 分岐は後から足すほうが絶対に楽!
いきなり分岐を作ろうとすると、ほぼ確実に迷子になります。 最初にやるべきことは、物語のメインルート(一本道)を作ることです。
- 序章
- 中盤
- クライマックス
- エンディング
この“骨格”ができていれば、分岐をどこに足すかが自然に見えてきます。
2|分岐は「何が変わるか」で考える
― 選択肢は“意味”があるから面白い
分岐を作るときは、 「この選択は何を変えるのか?」 を基準に考えると迷いません。
たとえば:
- 情報が変わる
- 仲間との関係が変わる
- 主人公の行動が変わる
- ルートが変わる
- エンディングが変わる
“変化の種類”を意識すると、自然で説得力のある分岐になります。
3|大きな分岐 → 小さな分岐の順で作る
― 太い枝から描くと、木は倒れない
フローチャートは、 大きな分岐(ルート) → 小さな分岐(選択肢) の順に作ると整理しやすくなります。
例:
- Aルート / Bルート(大分岐)
- A1 / A2(中分岐)
- A1の中の選択肢(小分岐)
最初から細かく作ると混乱するので、 “太い枝”から描くイメージが大切です。
4|分岐は“合流”させてもOK
― すべてのルートを別々に作る必要はない
分岐したルートは、 途中で合流させても問題ありません。
- AルートとBルートが中盤で合流
- その後また別の分岐へ
- 最後だけエンディングが変わる
こうすると、 分岐が多くてもシナリオ量が爆発しにくくなります。
5|フローチャートには“感情の流れ”も書く
― プレイヤーの気持ちが動く物語になる
ゲームシナリオは、 プレイヤーの感情がどう動くかも重要です。
- 不安 → 安心 → 不安
- 好感度が上がる → 下がる
- 謎が深まる → 解決する
フローチャートに「感情の動き」を書き込むと、 物語のテンポが良くなり、プレイヤーの没入感が上がります。
6|エンディングは“選択の結果”として配置する
― どの選択がどの結末につながるかを見える化
フローチャートの最後には、 選択の積み重ねで到達するエンディングを置きます。
- バッドエンド
- ノーマルエンド
- トゥルーエンド
- 隠しエンド
「どの選択がどのエンディングにつながるか」を 視覚的に整理できるのがフローチャートの最大の強みです。
まとめ:フローチャートは“物語の地図”
ゲームシナリオのフローチャートは、次の考え方で作ると迷いません。
- まず一本道を作る
- 分岐は“何が変わるか”で考える
- 大きな分岐から作る
- 分岐は合流させてもOK
- 感情の流れも書く
- 最後にエンディングを配置する
この方法を使えば、複雑な物語でもスッキリ整理でき、 プレイヤーにとっても“選択の意味が伝わる”シナリオになります。
▶ゲームシナリオに使える「フローチャートのひな型」
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